益子病院 川口市 心臓血管外科 下肢静脈瘤 循環器内科|循環器内科 診療科・部門のご案内

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診療科・部門のご案内

循環器内科・心臓血管外科     >>>益子病院における検査件数、手術件数の実績

image ・当院では地域の皆様の健康長寿に貢献すべく、平成14年に心臓血管カテーテル室を開設し、本格的な循環器医療を始めました。その後多くの経験と実績を重ね、平成21年に日本循環器学会、平成27年に日本心血管インターベンション治療学会の研修指定施設となりました。また、平成30年4月から心臓血管センターを設置し、外科治療分野を強化するため令和2年4月に心臓血管外科を新設しました。これらの取り組みにより、超高齢化社会で更に高度複雑化する循環器疾患に対し、血管内治療と外科治療を組み合わせた、より安全で確実な医療の提供を可能としました。
・当科での治療は豊富な経験と実績を持つ循環器専門医および心臓血管外科専門医が主体となり、最新の診断治療機器を用いた質の高い循環器医療の提供に努めております。また、当院は日本循環器学会および日本心血管インターベンション治療学会研修施設、心臓血管外科専門医認定機構修練施設でもあり、循環器医療を目指す若手医師の指導や育成だけでなく、他の医療従事者(コ・メディカル)の教育にも力を入れており、血管診療技師や診療放射線技師、循環器専門看護師を含め、心血管治療に特化した医療チームの育成に努めております。
・当科ではこれまで最新の心血管治療器材及び薬剤の多施設共同研究にも参画し、新しい治療法の確立や検証に協力しています。通院されている多くの患者様がこれらの研究に賛同して頂いているお陰で、日本の循環器医療の向上に微力ながら貢献出来ているものと考えております。

こんな症状の患者さんを多く拝見します

image ○不整脈の症状
 ・ 脈がとぶ
 ・ 
ドキドキする
 ・
 強く打つ鼓動
 ・
 ボーっとする
 ・
 めまいがする など

image ○心筋虚血(狭心症、心筋梗塞)の症状
 ・ 運動時の胸部圧迫感
 ・
 早朝深夜の胸部圧迫感 
 ・ 喉の奥の違和感
 ・ 左肩の痛み
 ・
 背中が痛い
 ・ 胃部不快感
 ・
 奥歯が痛い など 
image ○心不全の症状
 ・ 動くと息が切れる
 ・ 寝ると苦しい
 ・ 階段が登れない 
 ・ おしっこが出ない
 ・
 足がむくむ
 ・
 体重が増える など

image ○末梢動脈疾患(下肢虚血)の症状
 ・ 歩くと足が痛い
 
・ だるい
 ・
 足指が冷たい
 
・ しびれる
 ・ 
正座が出来ない
 ・
 足指の変色 など
image ○下肢静脈瘤の症状
 ・ 足の血管が浮き出る
 ・
 ふくらはぎが重い
 ・
 足がつりやすい
 ・
 足がむくむ
 ・
 足がかゆい 
 ・ 足の色が悪い、しみ
 ・
 足の炎症や潰瘍 など

*これ以外の症状に関しましても、循環器疾患の疑いでお困りの方は些細な事でも結構ですので
 いつでも私共にご相談下さい。

私たちがカテーテル治療や外科治療を行う主な疾患

当科での治療は全て循環器及び心臓血管外科領域の各種学会で資格認定された治療経験豊富な専門医・指導医が
責任を持って行っております。

虚血性心疾患】

虚血性心疾患は心筋に血液を供給する冠動脈が動脈硬化などで狭窄・閉塞を来す病気で、時に命に関わる事もあり、早く正確な診断が重要です。当院では心エコー検査、24時間心電図検査、運動負荷心電図検査、冠動脈CT検査や心臓カテーテル検査などから最適な治療法を判断した上で、速やかに対応出来る体制をとっております。

❑経皮的冠動脈形成術:PCI(カテーテル治療:約1~2時間、入院:1泊) ⇒ 治療例-1,2
学会認定研修施設でもある当院では、特に心血管カテーテル治療に力を入れております。最新鋭の画像診断装置による正確な診断の下、あらゆる病変に対応したバルーン、ステント器材を常備し、また、血管の石灰化病変や血栓、粥種などの複雑病変に対しても、掘削、吸引、除去を可能とする最新機器を駆使して安全確実な治療を行っております。患者様の多くは、手首の動脈からカテーテルを挿入するだけで治療が可能で、翌日のお昼までには退院されます。

【不整脈

不整脈には心拍が速い頻脈と遅い徐脈、心房および心室性期外収縮など、経過観察から緊急治療を要するものまで様々なタイプがあり、その重症度で薬剤治療、ペースメーカー治療、植え込み型除細動器、不整脈の根源を断ち切る心筋焼灼などの治療を選択します。高齢者や弁膜症患者に多い心房細動という不整脈では、血栓症による脳梗塞予防のため抗凝固薬を服用する必要があります。

❑ペースメーカー植え込み術(手術治療:約1時間、入院:1週間以内)
高齢者や心不全患者の増加でペースメーカー手術も増えております。局所麻酔で鎖骨直下の静脈から心臓内までペースメーカーリードを挿入固定しますが、痛みは殆どありません。ペースメーカーの電池は左前胸部皮下に約5cmの皮膚切開をして植え込みますが、傷はそれほど目立ちません。
退院後は当院のペースメーカー外来で、機器の状況を定期的に確認します。一般的に電池の寿命は10年前後なので、将来電池の交換手術が必要になる事もあります。
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下肢動脈疾患】

<閉塞性動脈硬化症>
動脈硬化病変の進行で主に足の動脈が狭窄もしくは閉塞する疾患で、高血圧、糖尿病、高脂血症患者や喫煙者などに多く合併します。症状は下肢の冷感、しびれ、歩行時の痛みで、徐々に日常生活が困難となります。その重症度に応じて薬剤治療やカテーテル治療もしくは外科治療を選択しますが、患者の多くは治療後速やかに動脈血流が改善し、症状の消失や改善が得られます。

❑ 経皮的末梢血管形成術:EVT(カテーテル治療:約1~3時間、入院:1泊) ⇒ 治療例-3
当院でのカテーテル治療は、最新の画像機器や技術に加え、薬剤溶出型ステントやバルーン、ステントグラフトなど様々な治療器材を常備し、緊急症例に対していつでも使用できる体制としております。また、複雑病変に対する外科手術との同時治療(ハイブリッド治療)も可能で、他院で治療断念された重症患者に対しても積極的に治療介入しております。治療は局所麻酔のみで主に足の付け根や足の甲の動脈などからカテーテルを挿入して行います。

❑  血栓内膜摘除術:TEA(手術治療:約1~2時間、入院:1週間以内) ⇒ 治療例-4
現在下肢動脈疾患に対してはカテーテル治療が主流ですが、カテーテルの主な挿入部位である、足の付け根の動脈の限局的狭窄病変においては、より効果的な外科的内膜摘除を積極的に行っております。局所麻酔で5cm前後の皮膚切開を置き、狭窄血管内の肥厚内膜組織を直接剥離除去する事で術直後から下肢血流改善が得られ、長期成績も良好です。

❑ バイパス手術(手術治療:約2~3時間、入院:1週間以上) ⇒ 治療例-13
血管病変の長さ、部位によっては上記治療が困難な場合があり、その際には病変を迂回する新たな血液の流れを作ります。 迂回路には患者自身の血管(下肢静脈)や人工血管を用います。病変の程度や範囲により、全身麻酔や長期入院が必要となる場合があります。

<急性動脈閉塞>
心臓や血管内に生じた血栓が動脈末梢に突然移動、閉塞する病態で、あらゆる臓器や組織に虚血梗塞を来す可能性があります。症状は足の脈拍消失、腫脹、変色、痺れ、痛みなどで、発症早期であれば、外科的に血栓除去術を行うかカテーテルによる血栓溶解療法を行います。早期治療患者の多くは、治療後速やかに血流が再開して症状改善が得られますが、治療が遅れると下肢切断だけでなく、生命に関わる場合もあります。

❑ 血栓除去術(手術治療:約1時間、入院:1週間以内)
局所麻酔で閉塞側の大腿動脈を直接切開して、動脈内の血栓をバルーン付カテーテルなどで効果的に排出・除去します。

❑カテーテル血栓溶解療法(カテーテル治療:約1~2時間、入院:1週間以内)
局所麻酔で血栓閉塞血管に血栓吸引用カテーテルや広範囲の薬剤散布が可能な多孔性カテーテルを穿刺、挿入して血栓吸引、溶解を行います。治療後も残存血栓が多い様であれば、カテーテルを短期間留置して血栓溶解剤の持続注入を行います。

【下肢静脈疾患】

<下肢静脈瘤(静脈弁不全)>
下肢の静脈内にある逆流防止弁の機能不全により静脈血の逆流停滞を来し、体表の静脈が浮き出てくる病気です。血管の凸凹が目立たなくても、うっ血や周囲組織の新陳代謝低下から、足のだるさ、かゆみ、痛みなどが生じ、長期間放置すると皮膚の炎症・変色・硬化・潰瘍などの症状が現れます。少なくとも生命に関わる病気ではありませんが、自然治癒する事はありません。主な原因として遺伝、立ち仕事、妊娠、肥満、便秘などありますが、加齢による弁機能低下により、70歳以上では75%の方に発症する病気とも言われております。治療法はいくつかありますが、最近では合併症が殆どなく、短時間で効果的に治る血管内治療が主流になりました。同治療を行うためには、下肢静脈瘤血管内治療実施管理委員会による実施施設および実施医認定が必須であり、当院においても実施認定を受けた心臓血管外科専門医が責任をもって、患者負担の少ない日帰り手術を行っております。
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❑血管内焼灼術・塞栓術(手術治療:約30分、入院:日帰り) ⇒ 治療例-5~7

治療対象血管は足の付け根からくるぶしの内側まで走行する大伏在静脈と膝の裏からふくらはぎの中央を足首まで走行する小伏在静脈で、血管内焼灼術は高周波やレーザーカテーテルを用いて血管を内側から焼灼する方法です。静脈内に挿入したカテーテルの先端温度を上げて焼灼する事で、血管壁が熱変性して繊維性閉塞が起きる仕組みです。また、最近では加熱焼灼が不要な組織接着剤を用いた血管内塞栓術も保険適応となり、より合併症の少ない治療法として当院でも導入しております。両者とも治療時間は片足で20~30分程度、局所麻酔のみで痛みも少なく、傷も殆ど残りません。多くの方は日帰り手術を希望され、その場合は手術当日から日常生活や仕事が可能です。
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❑ストリッピング手術(手術治療:約1時間、入院:1~2泊)
以前は下肢静脈瘤治療の主流でありましたが、最近では血管内治療が難しい症例にのみ行う治療となりました。特に標的血管の拡張や瘤化が著しい患者や血管走行が表皮に極めて近い患者などは良い適応となります。手術は静脈走行上の皮膚を2ヶ所切開して標的静脈内に専用ワイヤーを通し、十分局所麻酔を効かせた後、一気に標的静脈を引き抜きます。術後の再発はまずありませんが、出血や表在神経障害の合併症に注意が必要です。

❑その他 ⇒ 治療例-8
他の治療法としては、弾性ストッキング圧迫療法、硬化療法、高位結紮術、静脈瘤切除などがあり、複雑病変には併用する事でより効果的な治療が可能になります。当院では患者様の生活や要望に合わせた治療法を選択しており、高齢の方でも安心して治療を受ける事が可能です。
※詳細に関しましては、当院の下肢静脈瘤専門外来でお気軽にご相談下さい。

深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症
車椅子や寝たきり生活、手術後や航空機搭乗(エコノミー症候群)などで下肢の深部静脈に血栓が
生じる病気です。主に下腿浮腫、痛みや変色を伴いますが、稀に下半身の静脈から肺動脈に血
栓が移動して肺血栓塞栓症を来す事があります。血管エコー検査やCT検査で診断され、軽症であれば外来投薬治療可能ですが、呼吸不全や心不全を伴う重症例の場合は直ちに治療しないと生命に関わりますので、当院では緊急カテーテル治療を考慮します。

❑ カテーテル血栓溶解療法(カテーテル治療:約1~2時間、入院:1週間以内)
局所麻酔で血栓閉塞血管に血栓吸引用カテーテルや広範囲の薬剤散布が可能な多孔性カテーテルを挿入して血栓の吸引、溶解を行います。治療後も残存血栓が多い様であれば、カテーテルを短期留置して血栓溶解剤の持続注入を行います。

❑ 下大静脈フィルター留置術(カテーテル治療:約1時間、入院:1~2週間)
肺血栓塞栓症予防のため、腹部の大きな静脈内に金網フィルターを固定して、下肢静脈からの血栓を心臓や肺に行かない様にします。局所麻酔で頸か足の付け根の静脈からカテーテルを挿入して、腎臓の静脈より末梢の下大静脈内にフィルターを固定します。フィルター留置後も下半身の静脈血流は細かな迂回路で代償されますが、場合により後日フィルターを回収する事もあります。

【慢性腎不全患者】

一般的な慢性腎不全患者の透析治療では、毎週3回の血液浄化の度に透析用シャント血管の2ヶ所に太い針を穿刺、固定する必要があります。シャント血流は透析効率にも影響するため、透析患者が生きていく上でシャント血管は極めて重要なものになります。当院では心臓血管外科専門医が確実な透析用シャント血管を作成するだけでなく、循環器内科、腎臓内科および当院附属透析クリニック病院と連携して、外来でシャント血管の定期検診を行い、少しでも異常があれば、早期にカテーテル治療や再手術を行う万全な維持管理体制を敷いております。また、当院ではお腹の中に透析液を入れ、腹膜を使って透析を行う、腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)の導入も行っております。体に優しく、自宅で行う事も出来るため、自分の生活スタイルにあわせた透析療法が可能です。
<透析用シャント手術>
❑自己血管内シャント(手術治療:約1-2時間、入院:1週間以内) ⇒ 治療例-9
先ずは利き手反対側で手首の表在静脈と動脈を直接吻合して作成します。吻合血管の太さが2mm未満の場合は血管成長が期待できず、肘の近くや利き手側の血管に変更する場合があります。
手術は局所麻酔のみ2~3cmの皮膚切開で作成します。血管の成長度で入院期間が変わります。

❑人工血管内シャント(手術治療:約2時間、入院:1~2週間) ⇒ 治療例-9
基本的に自己血管内シャントが不可能な患者に行います。血管吻合部位で人工血管の長さや走行を判断しますが、主に撥水性で太さが4~6mmの人工血管を用います。動静脈の吻合予定部に各々皮膚切開して先ず人工血管を皮下に通した後、動静脈とも人工血管と吻合してシャント血管を作成します。人工血管は術後2週間ほどで透析使用が可能となります。人工血管吻合、留置範囲によっては、局所麻酔に神経ブロック麻酔を追加する場合があります。

❑動脈表在化(手術治療:約1時間、入院:1週間以内)
自己血管や人工血管による内シャント血管作成が困難な場合に用いる最終手段の一つです。
主に上腕内側を10~15cm程皮膚切開して、上腕動脈を出来るだけ長く剥離、受動化させた後、
皮膚直下に移動、固定します。皮下に太い動脈を固定する事で出来るだけ穿刺を容易にします。
❑長期留置型カテーテル(手術治療:約30分、入院:1週間以内)
自己血管や人工血管による内シャント血管作成が困難な場合に用いる最終手段の一つです。局所麻酔のみで先ずは事前に前胸部の皮下通路を作成してカテーテルを通します。
次いで、頸部か鎖骨周囲の静脈から右心房内までカテーテルを挿入、固定します。この際、皮下通路内にカテーテルのカフを固定、癒着させる事で自然に抜けない様にします。
<透析用シャント血管内治療>
シャント血管は透析の度に太い透析針の刺入、抜去が行われるため、時間経過とともにシャント血管の狭窄や血栓形成を認める事が多くなり、最終的には透析効率低下から再手術が必要になります。当院ではなるべく再手術せずにシャント血管を長持ちさせるため、定期外来でシャント血管のエコー検査を行い、少しでも異常があれば積極的な血管内治療を行う事としております。

❑経皮的シャント血管形成術:VAIVT(カテーテル治療:約30分、入院:日帰り) ⇒ 治療例12
一度作成した透析シャント血管を生涯に亘り長く使用して頂く事が目的で、早期に発見された病変は概ね30分以内で治療可能です。術後再狭窄は30%程度ありますが、繰り返し治療出来る事が最大の利点です。血栓閉塞病変にはカテーテル治療や手術による血栓除去術、血栓溶解剤投与などを組み合わせた効果的な治療を行っており、治療成績も良好です。


<透析用シャント血管トラブル>
シャント血管は生涯にわたり、透析針の穿刺、抜去、止血操作が行われるため、様々な血管病変やトラブルを来す可能性があります。

① シャント血管瘤 ⇒ 治療例-10
複数回の血管穿刺による血管壁の脆弱化、不十分な止血による仮性瘤などで徐々に血管拡張を来します。出血イベントや破裂の危険があれば早期手術を行います。
手術は病変の性状や長さにより、血管瘤の縫縮形成、パッチ形成、血行再建を行います。

② シャント血管感染 ⇒ 治療例11
透析シャント血管の感染では敗血症など全身感染症に至る可能性が高く、特に人工血管感染では、早めに全ての人工血管を抜去する必要があります。 
<腹膜透析治療>
❑腹膜用透析用カテーテル挿入術(手術治療:約1時間、入院:1週間程度) ⇒ 治療例14
腰椎麻酔のみで行います。お臍の横に3~5cmの皮膚切開を行い、腹膜を小さく開けて、腹部臓器を傷つけない様に透析液注排液用のカテーテルを膀胱の後方(ダグラス窩)に向けて挿入、固定します。自然抜去や感染予防のため、カテーテルは皮膚と筋肉間をある程度這わせて体の外に出します。傷は数日で閉鎖しますが、腹膜透析の準備、指導内容で入院時間が変わります。

治療を行うその他の疾患

【心不全】

日本人の死因2位を占める心疾患の原因で最も多いのが心不全で、その患者数も高齢化社会において爆発的に増加しております。心不全は心臓のポンプ機能低下により、息切れ、呼吸困難、むくみなどを来し、特に急性心不全は、早期に適切な治療を行わないと生命維持が困難な状態となります。最重症者には、当院でも経皮的心肺補助装置(ECMO:エクモ)による救命対応をしております。
慢性心不全に対する治療薬はこれまで数多く開発されておりますが、投薬の選択やタイミングが患者の生命予後に大きく影響します。また、心不全の原因疾患は虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、不整脈、代謝性疾患など様々で、それらに対する検査や治療も再発予防のため重要です。

心臓弁膜症

心臓弁膜は心臓の中に4つあり、効率的に血液を送るための一方向性の扉の様なものです。
扉が固くなって開きにくくなる狭窄症や、扉のしまりが悪くなる閉鎖不全症があります。
軽症例では生活習慣指導や薬剤投与で経過観察しますが、病状が進行すると心不全治療を要し、重症例では弁形成や人工弁置換などの心臓手術が必要となる場合があります。その場合は当院と提携業務している経験豊富な施設への紹介を行っております。また、当院でも大動脈弁や僧帽弁の狭窄病変に関しては、心臓手術治療が困難な患者に対するカテーテル治療(バルーン弁裂開術)により、病状改善を得る事が可能です。

高血圧症

適切な治療を怠ると、全身の血管病変や心不全の原因となります。全身臓器への影響や動脈硬化の背景因子(糖尿病、高脂血症など)を考慮して、生活習慣指導、適切な薬剤治療を行います。
なお、薬剤抵抗性の腎動脈狭窄による腎血管性高血圧に対するカテーテル治療も対応可能です。

糖尿病、高脂血症

糖尿病や高脂血症は、無症状の内に徐々に全身の血管の動脈硬化、狭窄病変を進行させる病気で、冠動脈疾患や末梢動脈疾患の危険因子の一つでもあります。当科でも血管治療の有無に関わらず、生活習慣指導から薬剤治療まで総合的に判断して治療を行っております。
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